陸上競技とは…

● 中学生の種目 ●

陸上競技は100m走、1500m走、400mHなどトラックを走る「トラック種目」と、
走幅跳や砲丸投などトラックの外や内側で行われる「フィールド種目」に分けることができます。

  100m(男女) : 2004年のアテネ五輪で末續慎吾選手の出場により注目された種目。スタートにはスターティングブロックを用いる。トラックの直線部分だけを疾走し、五輪の決勝などは「人類最速の人間を決める」戦いとも言われる。

  200m(男女) : 2003年の世界陸上で末續慎吾選手が銅メダルを獲得した種目。スタートにはスターティングブロックを用いる。トラックの第2曲走路をスタートし、直線を走りきってフィニッシュ。

  400m(男) : スタートにはスターティングブロックを用いる。限りなくマックスに近いスピードで50秒を過ごすので無酸素運動の極限と言われる。トラックをちょうど一周する。

  800m(男女) : 800m以上の競技のスタートはスタンディングスタートを用いる。トラックを2周する。県大会など上級の大会では最初の100mだけ自分のレーンを走ることがある。

  1500m(男女) : トラックを3周と3/4走る。欧州では1500m走よりも1マイル走(約1600m)が主流。

  3000m(男) : 中学生の種目の中で最も長い種目。トラックを7周と1/2走る。通常は男子のみの種目だが冬の駅伝シーズンには女子も走ることがある。

4×100mR(男女) : 1人100mを4人でつなぐ。1走のスタートにはスターティングブロックを用いる。テイクオーバーゾーン(いわゆるバトンゾーン)は入口から出口までが20mあり、バトンの受け渡しはこの中で行われなくてはならない。次走者はゾーンの入口からさらに10m手前にある助走マークから走り出すことができる。

  100mH(女) : ハードルの高さは76.2cm。この中途半端な数字はハードル競技発足当時はメートルではなくフィートで長さを現していたため。100mの間に10台のハードルが置かれていて、わざと足や手で倒したと見なされたときや、脚がハードルの外のハードルより低い位置を通ったと見なされたときは失格にされる。スタートラインから最初のハードルまでが13m、ハードルの間隔は8mで、最後のハードルからフィニッシュラインまでが15m。高校生や一般では高さが84cmになりハードル間が8.5m、最後のハードルからフィニッシュラインまでが10.5mになる。

  110mH(男) : ハードルの高さは91.4cm。スタートラインから最初のハードルまでが13.72m、ハードル間が9.14m、最終ハードルからフィニッシュラインまでが14.02m。高校生や一般は間隔は変わらず、高さが106.7cmになる。

走高跳(男女) : いかに高く跳ぶかを競う種目。支柱のバー止に置かれた4mのバーを越える。跳び方には背面跳び・ベリーロール・はさみ跳びなどの方法があるが、現在の主流は背面跳び。背面跳びはマットに背から落ちるので練習するときには十分な安全確保が必要。中学生が練習するときには先生やコーチなど大人がいるところで行ったほうが良いだろう。

棒高跳(男) : グラスファイバー製のポールを利用してより高さを競う種目。指導者数が少ないことや、ポールやマットなど他のフィールド種目と比較しても大掛かりな用具が必要で跳躍技術も必要なので中学生の競技人口はまだまだ少ない。

走幅跳(男女) : いかに遠くまで跳ぶかを競う種目。助走のスピードをいかに跳躍につなげていくか、長さ30cmの踏み切り板にしっかり合わせるのはなかなか難しい。

砲丸投(男女) : 男子は4kg、女子は2.721kgを使用する。女子の中途半端な数字は発祥時に重さをポンドで標記していたためである。投げる初動作の際には砲丸を首またはあごにつけなくてはならない。野球ボールを投げるときのようには肩を使わないので、投げるというより押し出すという表現のほうが近い。

四種競技(男女) : 2004年に三種競技A・Bを統合して新しく作られた種目。男子は110mH→砲丸投→走高跳→400m、女子は100mH→走高跳→砲丸投→200mの4種目を1日で行う。それぞれの記録を得点に換算し、その合計点で順位を競う。高校男子はこれに100m、1500m、走幅跳、やり投を加えた八種競技、一般男子はさらに棒高跳、円盤投を加えた十種競技が行われる。高校以上の女子はこれに走幅跳、やり投、800mを加えた七種競技になる。これらは日程を続けた2日間に分けて行われる。

【ジャベリックスロー(男女)】 : 高校以上のやり投の導入として取り入れられている。プラスチック製でペットボトルロケットを細くしたような形状をしている器具を用いる。普段の競技会ではほとんど行われず夏の全国大会でも実施されない。大きな競技会では10月末に日産スタジアム(横浜国際から改称)で行われるジュニア五輪のみで実施される。


● 競技場 ●
  
  陸上競技の競技場には主に全天候型の400mトラックが使われる。全天候型とは全面的にゴム質(タータン)で覆われていて、反発しやすい。この性質を利用してスパイクは鋭利ではなく円柱形になっていて力を伝えやすくなっている。直走路と曲走路は同じ距離だと思われている人もいるようだが日本では直走路4:曲走路6の割合、つまり1つの直走路で80m、1つの曲走路で120mのものが多い。トラックは左回りで使う。なぜ左回りなのか、起源は諸説あるが定かではない。タータンの色は闘争心を起こすのところが多いが、平常心を保てる色ということでを利用するところもある(県内では海老名や不入斗)。全天候型以外ではレンガを砕いたものを敷き詰めたもの(アンツーカ)もあるが(県内では相模原横山・秦野他)、数的には少なく、全天候型が主流といえる。トラック競技の記録は主に電動計時が行われる。スターターの合図で自動に時計が動き出し、フィニッシュライン上でビデオカメラにより順位・記録が計時される仕組み。三増や海老名など小規模の競技場では手動計時が行われ、この場合は時計も順位判定も全てフィニッシュライン横にある審判台に座っている競技役員によって判定される。

● シューズ ●

  ランニング専用のシューズはあらゆるメーカーから発売されている。デザインや価格、長さだけではなく幅など自分の足に合ったものを選ぶといい。メーカーによって足型が異なり足を入れたときの感触が異なってくるのでメーカーや型にこだわらずいろいろなものを試してみるといい。購入の際には必ず両足を試し履きしてみよう。シューズはその用途により「ファーストタイプ」「ライトタイプ」「セーフティタイプ」に大分される。購入は専門スポーツ用品店を利用すると品揃えも豊富で、店員から適切なアドバイスがもらえることもある。

  ○ファーストタイプ・・・・実業団や大学の選手がマラソンや駅伝で使用している靴底(ソール)が薄く軽さを追求したもの。軽い分、脚にかかる負担は大きく、筋力が弱かったり初心者が使用するには十分な注意が必要。


  ○ライトタイプ・・・・・・・・ファーストタイプよりは足の保護性(ホールド性)が高いもの。ファーストタイプに比べて軽くはないが脚の負担は少ないので、筋力が弱い人や初心者が試合やスピード練習に用いることが多い。


  ○セーフティータイプ・・最もホールド性を重視した作りになっている。ソールが厚く作られており、その分重さはあるが長時間走っても疲れにくくケガもしにくくなっている。
  
(ファーストタイプ)                 (ライトタイプ)                    (セーフティタイプ)

● スパイク ●

  陸上競技ではその種目別・競技場別にスパイクの種類が異なってくる。競技場の素材(全天候型・アンツーカ)別では、全天候型専用・全天候型アンツーカ共用の2種類に分類される。全天候型専用スパイクに比べて共用スパイクは頑丈に作られていることが多い。種目別では短距離・中距離・長距離・跳躍・投擲それぞれにスパイクの形状は異なる。ピンの形状はアンツーカー(土)用に地面をしっかりつかめるように先の尖ったもので、全天候型(ゴム)では下の写真のように円柱形でゴムの反発を受けやすい形状になっている。また下の写真のピンは埋めピンと言って固定されていて全天候型の競技場専用だが、取り外しのできるピンのものも多い。初心者用に短距離から跳躍まで何でもやれる全般用のスパイクも各メーカーから用意されている。購入はシューズ同様、専門スポーツ用品店に行ったほうがいい。また、タータンでスパイクを使うと脚に負担が大きいので、長距離に関しては筋力の弱い選手などはシューズでも良いと思う(実際に私もスパイクはあまり使わないので…)。

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